【ドイツ】アート留学、語学勉強について教えてもらいました。

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写真引用元 : https://de.wikipedia.org/wiki/Kunstakademie_D%C3%BCsseldorf_(Geb%C3%A4ude)

海外留学の中でも、ドイツは人気の留学先です。今回はドイツへのアート留学や語学勉強などについて、日本ではなかなか手に入らない情報をシェアします。
ドイツに9年住むドイツの美大留学生、宮野賢介さんのインタビュー記事も参考にしながら、ドイツに行ってからのサバイブ術を紹介します。情報は私見も含みますし、毎年ルールも変わりますのでご了承ください。

大学

ドイツの国立芸術系大学は20校ほどあります。ヨーロッパでは大学というと国立大学へ進学する人が多いです。なぜなら私立大学・専門大学は専門性が強いのですが、学費が高いにも関わらず、多少ランクが低く見られがちでもあるからです。

大きな都市には大体Fine Art(アカデミックな美術的)とApplied Art(応用芸術、視覚美術などのデザイン系)の二つがあります。

学位は日本やアメリカのようなBachelorやMaster制度ではなく、ドイツにある大半の大学はDiplomという5年一貫制度を採用しています。Diplom制度では1、2年はVordiplom、3、4年はHauptdiplom、5年生はDiplomandになります。 

学費

国立大学は州によって異なりますが、無償もしくは1セメスター (半年)で100〜600ユーロ(約13,000円~約78,000円)です。私立大学では数十万円かかるところもありますが、それでも日本の私立大学と比べるとずっと安いですね。 

奨学金

政府、州、大学機関によるの奨学金制度があります。全額返済する必要がないこともあり、日本よりも負担が少なく、学生に易しい内容になっています。芸術系の学部にはありませんが、学位や学部によっては外国人学生でも受ける事が可能な援助がある場合があります。

皆さんも日本語、英語、ドイツ語をDeepLなど、翻訳してくれるアプリを使用しながら探してみてください。 

語学

ドイツ語、英語を日本にいる間に勉強しておくことはもちろん重要ですが、実はドイツに行ってからでも遅くはありません。大学の規定ではドイツ語が必要とされていますが、ドイツ人は皆英語が当たり前に話せます。 

ビザ

ドイツ滞在の二年間は「大学準備ビザ」を取得することができます。これはヨーロッパでも珍しい待遇の一つです。この二年間で大学入学への語学力、コネクション作り、もしくは大学へ行かずとも十分な海外経験をすることができます。 

30歳未満であればワーキングホリデービザ(ワーホリ)で1年間のビザを取得することも可能です。その間に現地の日本食レストランなどで正社員になったりと就労ビザに切り替える人も多くいます。 

日本人コミュニティ

ドイツにはデュッセルドルフを筆頭に、ヨーロッパの中でも最も多くの日本人がいることで知られています。良くも悪くも日本人同士を意識したり関係を持つことが多くなると思いますのでポジティブにいい関係を築けることをお勧めします。 

受験内容

ドイツの大学受験は、20枚のドローイングや作品集を提出したり、映像作品をUSBに3〜5個納めて提出するだけ等、日本と比べて形式が自由な受験が多いです。これは隣国のチェコに住んでいる私にとっても驚きの内容でした。

宮野さんが受けたブレーメン大学は、ポートフォリオを見せた後に、面接があったようです。それにしても日本の感覚からしたら簡単すぎですよね。

場所にもよりますが倍率は8〜15倍程で、何年か受験し続けてようやく受かった人もいれば、ワーホリ期間などで受けてみたら「受かっちゃった」みたいなノリで合格した人もいるようです。 

審査基準

日本のような精密なデッサンや描写するようなドローイング、彫刻は即不合格になるようです。ただし、地域差により、中には保守的な大学もあるのでご注意ください。

現代アート、コンセプチュアルアートがトレンドのドイツというお国柄、先生たちは技術ではなく、受験生のポテンシャルを見ています。また若くて未経験な人を採用したいと考える教授や大学もあり、すでに美大を卒業し、作家として完成された人ほどドイツの大学は受かりにくい傾向があります。 

受験前からのコネクション

現地学生は、高校卒業後すぐに受験して入学する人がほとんどです。しかし、海外からやってくる学生の中には、師事したい教授を目指し、自分の作品集やポートフォリオを持って大学のクラスを訪ねることがあります。そこでもし教授が気に入ってくれたら、聴講生としてクラスに参加することも可能です。もちろん、厳しい意見を言われたり、クラスに空きがないと断られる事もよくあります。しかし教授との関係を作ってから入学する人が沢山いるようです。 

合格後

ドイツ語学力の証明書の提出が入学許可の一つになっています。しかしそれは合格通知を貰ってから2年以内にドイツ語の語学証明書を提出すればいいということなので、無事に合格した後は語学も頑張ることが重要になっていきます。

美大の中には、語学学校のB2コースの授業を修了後にもらえる「B2証明書」を提出することで入学可能な大学が多く、半年から1年集中して勉強すれば取得可能です。 

ちなみに、宮野さんが通っているミュンスターのクンストアカデミーではC1という上級者レベルの語学試験(Test DSH,Test DaF等)が求められ、特別にミュンスターアカデミーに受かった外国人留学生は、大学付属の語学学校の試験対策用コースでC1まで格安で勉強ができるようです。(授業料が毎月ではなく、1セメスターで500ユーロ: 約65,000円))

ともあれ、学内ではディスカッションやプレゼンが多く、ただでさえ人前で話すことは大変です。そして、それがドイツ語で求められますので、質の高い時間を過ごすためにも語学力、表現力は重要ですね。 

エラスムス(Erasmus)

ヨーロッパではエラスムス(Erasmus)という、半年〜1年間交換留学が簡単にできるEU内での学校同士の提携があります。宮野さんもドイツの大学からイタリアの大学へ、筆者もプラハの美術大学からデザインの大学へ1年間のエラスムスなることをした経験があります。 

経費

物価が高いように思われるドイツですが、実は東京で一人暮らしするよりも安く暮らせるかもしれません。学割、学費や寮など、日本よりも学生への待遇は手厚く、日本にいるより時より快適に生活できると思います。

美大卒業後

無事に学生が終わる頃から皆が考えるのが「このまま外国にいたいか、もしくは日本へ帰日するか」の選択です。

ドイツにそのままいたい場合、学生ビザではないビザを取得する必要があります。気持ち、お金さえあれば誰でもそのまま「ドイツ在住アーティスト」になることができます。 ビザは、アーティストビザ、就労ビザ、パートナービザなどから永住ビザコースなどにしていく事が理想的です。

金銭面は、現地での仕事、日本人や日本語を活かした仕事をして、生計を立てる人が多くいます。

気持ちの面では、制作や展示で忙しくなることが、アートやフリーランスとして生きていくことのモチベーションになっていくと思います。 

これから留学をしたい皆さんは、いろいろな人の一連の経験談を知っておくとためになると思います。この情報が皆さんの参考になり、より良い判断に繋がってくれると嬉しく思います。 

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