【実録】エキストラでハリウッド映画や海外のCM撮影仕事をする。登録から報酬まで解説

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こんにちは、演劇とダンスのパフォーマーの千葉です。
今回は、私が実際にキャストとして仕事をした経験に基づいて中欧チェコでのCM・映画のエキストラの仕事について紹介します。

ヨーロッパにワーホリ・留学、来たけど仕事何しよう。
海外でエキストラの仕事をしてみたいけど、どうやって仕事にありつけるの?
ちゃんとお給料もらえるのかな?
と期待や不安を持っている方もいるのではないでしょうか。

私は2022年の11月にチェコのプラハに到着して、12月にエキストラとして仕事をすることができました。どのように私が仕事を得ることができたのか、実際の撮影現場での流れや様子、注意点などを実際の経験に基づいて紹介していきます。

ART SURVIVE BLOGが拠点を置くチェコでのエキストラのオーディションお金などの大まかな事情は以前の記事で紹介しておりますので是非そちらも参考にしてください。



エージェンシーのwebページ

エージェンシーに登録して、仕事に応募する

まずはエキストラのエージェンシーに沢山登録をしました。登録が済んだらオーデション情報や求人のメールがくることもありますが、基本的に自分で各エージェンシーの応募画面かメールで応募していきます。
送る内容は案件によって様々なので漏れがないか確認をしてから送ります。
募集要項に衣装合わせ(撮影の前に衣装を試着してどの衣装を使うか衣装担当の人と決める工程)と撮影の日程が掲載されているのでその日程は基本的に空けておきます
ここで辛いのが大抵は不合格の場合は、連絡が来ないということです。仕事を得られなくても誰も補償はしてくれません。後ほど書きますが収入源としてエキストラの仕事だけを頼りにするのはあまりお勧めできません。

連絡が来る

最低でも衣装合わせの前日までに合格の場合SMSか電話で連絡が来ます。ここで大事なのが返事を後回しにしないということです。大抵は英語で「案件名」「名前」「OK」の簡潔な返信で大丈夫です。なぜ返信を直ぐにするべきかというと、悲しいですがエキストラの仕事ではあなたの代わりはいくらでもいます。エージェンシーはあなたの返信が遅いと日程が合わないと判断し他の方に連絡してしまう可能性があります。折角来たチャンスは逃さないように私は直ぐに返信しています。


バランドフ撮影所

衣装合わせ

私が経験した案件では衣装合わせは全てバランドフ撮影所でした。実はこのバランドフは職人らの技術レベルが高く、「東欧のハリウッド」と呼ばれてもいます。「ジョジョ・ラビット」や「007/カジノ・ロワイヤル」の撮影場所としても有名です。
この衣装合わせは撮影の数日前に行われます。衣装さんは短い時間で多くの人の衣装合わせをしなくてはいけません。ですので段取り良く行けるように着替えやすい服装で行き、自分が着る衣装でもあるのでアイテムや着方など「これはどう?」と私は提案して決めていきます。衣装が決まったら、スタッフの方に記録用で衣装を着た写真を撮ってもらいます。それが終わったら着替えて衣装を預けます。
当たり前かもしれませんが、私はしっかりと大きな声で挨拶するよう心がけています。その現場にいる人は一緒に仕事をする仲間ですし、自分のことをしっかり認識してもらうと気にかけてくれることも多いのです。
帰る前にエージェンシーの方にもう何もやることはないか確認をして帰ります。現場にもよりますが衣装合わせの時に抗原検査を受けたり契約書にサインすることもあります。

撮影当日の流れ

集合
撮影の日の朝はとても早いです。私が経験した中で一番早かったのは朝3時45分集合でした。プラハのトラムはこの時間でも走っているのでトラムで向かいます。
集合場所で大型のバスに乗り撮影現場に向かいます。団体行動なのでここで遅刻すると撮影に影響が出てしまったり置いていかれたりするので時間厳守です。

着替え・メイク
現地に着いたら衣装に着替えて、その後はメイクをしてもらいます。
支度場所と撮影場所は離れていることが多いのでまた移動をします。撮影現場には、沢山の人やカメラだけでなく照明機材、音響機材、モニターなど沢山の電子機器がありますのでぶつからないように気をつけています。

撮影開始
立ち位置やどんなことをするかコーディネーターから全体や個別に説明があります。大抵のスタッフは英語を話しますのでチェコ語が話せなくても大丈夫です。
各々の動きが決まったらテストシューティングがあります。何回か繰り返すので練習になります。
ついに本撮影です。気合を入れすぎずテストと同じようにその場で起こることを大切にします。シーン数に応じてこの作業の繰り返しをして撮影を続けます。

休憩
合間にランチや軽食の時間があり大抵はケータリングでご飯や飲み物をいただけます。

撮影終了
全てのシーンの撮影が終わったら、衣装を返却し報酬をもらいます。担当の人に名前を告げ現金を手渡しでもらうのでその場で金額の確認をします。一連の作業が終わると再びみんなでバスに乗りプラハ中心地の集合した場所まで送ってもらい解散です。

演技経験がなくても、英語や現地の言葉が達者じゃなても大丈夫な理由

様々な人種、年齢、職業の人がいる

チェコではエキストラの仕事をしている人は俳優だけではありません。チェコではエキストラの仕事は特別ではないようで、学生、フードデリバリーサービス、バイヤー、演奏家など様々な職業の人がいました。人種・年齢も様々です。そのためか、撮影時に自然とそこに居れる方が多い印象です。自然にいるというのは意外と難しいものです。

エキストラではそんなに難しいことは求められない

撮影が始まる前にどんなシーンか説明があると伝えましたが、具体的に指示があります。おしゃべりをして、ただ自然にいて、ここから向こうまで歩いて、などと難しいことは要求されません。そこに存在しているだけで仕事になるのです。また逆にいうとストーリーラインなどは教えてくれないので、撮影セット、衣装、などから自分がそのシーンで何をすればそのシーンがより面白くなるか考えることはクリエイティブで楽しいところです。

練習ができる

リハーサルを何回かやるので練習ができます。また、他の人がどうしているか見ることができるのでバランスを考えて真似してもいいでしょう。 

語学力よりコミュニケーション能力

周りの人に聞いても大丈夫です。撮影現場での指示が聞こえなかったりすることもありますし内容がよく理解できないこともあります。そんな時は周りのエキストラの人を頼りましょう。なぜ理解できないのかと責められたことなど一度もなく私が今まで会ってきた人たちは親切な方ばかりでした。わからなくて焦ることはありません。英語が流暢に話せないことはエキストラをやる上で何の問題でもないのです。

エキストラの仕事で注意すること

時間

集合場所の件で書きましたが、時間厳守です。基本的に団体行動です。少しでも押すと撮影の終わりにも響きます。また逆に撮影が延びるかもしれないので後に予定は入れない方がいいです。3時45分に集合して解散が20時30分だったこともありました。 

報酬の確認

応募する時、または契約書を書く時に必ず金額が提示されますので報酬を受け取るときにあっているか確認しましょう。実は人種などの条件によって金額が変わることがあります。希望より報酬が少ない場合は事前に交渉もできます。

撮影中の貴重品

いくら警備員がいても昔から楽屋泥棒という言葉があるように劇場や撮影現場には金品を狙った人がいます。必要最低限の貴重品だけを持っていき撮影の邪魔にならないように持っておきましょう。

不定期なので当てにしすぎてはいけない

エキストラの募集も不定期で応募すれば必ず仕事がもらえるわけではないのでエキストラのお給料を収入の主軸にするのはお勧めできません。
なので複数のエージェンシーに登録して情報が沢山入ってくるようにするのがお勧めです。

撮影現場の写真をSNSなどにあげてはいけない

著作権や肖像権は全て製作者に帰属します。日本の俳優やアイドルが衣装をきている姿をSNSに投稿しているのを目にしますが、あれはきちんと許可を取っています。また楽屋で撮っていることが多いのは撮影セットなどは基本的に写真に撮ってはいけないからです。

意外ないい点

プロの監督やスタッフの仕事を間近に見れる

これは全く意外ではないのですが、クリエーター達が何をどう考えて画を作っているのかを間近で見れるのは楽しいですし得る物が多いです。必ずモニターが置いてたあって今撮った映像を見ることができます。自分が出番じゃない時に邪魔しないよう見てみましょう。何か発見があるかもしれません。

新しい出会いがある

海外に来てなかなか友達ができないと悩んでいる方も居るのではと思います。エキストラの仕事では沢山の人が集まります。20人程度の時もあれば100人以上の大衆の時もありました。チェコの人は誰とでも話す習慣があるようで、(筆者はレジ並んでる時とかにたまにおばちゃんに話しかけられる)みんなよく喋っています。英語を話す人も多いので話しかけてみると仲良くなれるかもしれません。日本よりも多人種・多文化の人々と話ができるのは面白いものです。

いい空気を持っている人が多い

あまりスピリチュアルなことは分かりませんが撮影の現場では演者に限らず、いい空気を持った方が多い印象です。素敵だなと思う人に話しかけてみるのもいいかもしれません。

英語を話す機会

恥は掻き捨てではないですが、エキストラの現場であった人はその日しか会わないかもしれません。失敗しても問題ではありません。英語が第二言語同士の場合が多いのでお互いゆっくり話せますしブロークンイングリッシュでも気にもしていないといった感じです。
日常会話にも触れることもありますし、英語やチェコ語を教えてくれることもありました。

チェコで登録しているエージェンシーまとめ

 ・cinema casting
 ・KZ casting
 ・stop casting
 ・Dee Dee casting
 ・Dos Amigos 

他にも沢山エージェンシーは存在しますが、ここでは登録が簡単でお金がかからずエキストラの情報をよく流しているエージェンシーを何点か選びました。

まとめ

普段は目にすることがない映画・CM撮影の様子。その中の仕事の一つであるエキストラの仕事を具体的に紹介してきました。今回、紹介したのはチェコでのエキストラ事情でしたがヨーロッパ圏内でしたら同様の形式でお仕事にありつけるはずです。就労が可能な留学生やワーホリで滞在中の皆さん、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。

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