海外のCMや映画の俳優仕事、エキストラ仕事とオーディション事情

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みなさん、俳優やエキストラの仕事と聞いて、どんな印象を持ちますか。

日本だったら「芸能界、、」「自分の能力では、、」というイメージを持たれている方も多いかと思います。

しかし、意外なことに、アメリカやヨーロッパでは、役者の勉強をしていない一般の人でもCMや映画のオーディションを受け、エキストラとして作品に出演するということが普通にあります。しかも、例えエキストラでも一生懸命数をこなせば、大きな収入になります。今回はヨーロッパで最も一般人レベルからアクセスできる俳優エージェントが多いチェコのプラハの俳優、エキストラ仕事事情を実経験も交えてお伝えしたいと思います。

チェコの映像・映画業界

チェコの首都プラハは、地理的にヨーロッパのほぼ中央に位置することから、ヨーロッパの「中心」または「へそ」などと呼ばれています。さまざまな人種がプラハに住んでいる条件、ヨーロッパの中で物価が比較的安いため、CMや映画のエージェント、スタジオ多くあります。プラハ郊外には、東欧のハリウッドと呼ばれるヨーロッパ最大の映画スタジオバランドフ撮影所があるなど、チェコの映画業界、コマーシャル産業は世界的にもとても重要です。

演技の仕事の内容

エキストラの仕事をするには、まず俳優タレント事務所に登録します。
登録する内容は、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、身長、体重、目の色、髪の色、服のサイズ、首回り、胸囲、腹囲、腰回り、話せる言語、得意なことといった基礎情報です。「Casting、Prague」とググれば沢山俳優タレント事務所が出てくるはずです。登録するのに、お金がかかる事務所もあるのでお金を取らない事務所に登録するようにしましょう。登録したら、俳優タレント事務所からすぐメールで連絡が来て登録完了となります。
プラハには20社から30社くらいのタレント事務所があるので、沢山登録すればオファーも増えるのでお勧めします。
なぜなら、各エージェントがあなたの見た目に適した役の仕事のオーディションをとってくることはそんな多くはありません。ですの少しでも多くのオファーのためにも、多くのエージェントに登録しましょう。
次に、エキストラの仕事の種類ですが、これは大きく2つあります。
1つ目は、オーディションがあるエキストラ、こちらは仕事を獲得するまでが道のちがありますが、貰える報酬は高額で、1日5万円くらいが相場です。また、前日にある衣装合わせでは、1日5千円ほど貰えます。
2つ目は、オーディションが必要ないエキストラの仕事です。こちらは、俳優タレント事務所から連絡がきて、YESと答えれば参加できます。仕事を獲得するまでが楽で、貰える報酬は1日1万円程で、週に2、3日は撮影が続くこともあります。

また、それぞれの仕事の内容に関してですが、オーディションがあるエキストラの仕事は、仕事を獲得するまでに大体2回のオーディションがあります。一次がオンラインか現場で行われ、かなりの人数がいます。無事二次審査への合格通知はされますが不合格通知はされません。二次審査は現地国のディレクターも審査に加わります。ですので撮影の数日前になります。

無事、二次審査にも受かり撮影になります。CM内でもし1秒以上自分の顔が写っている場合、「バイアウト」と言われ、クライアントによりますが、大体20~80万ほどの報酬になります。さらに、「エクスクルーシブ」と言い、次の年にもCMが使用されると、前年同様の報酬が貰えるというルーティンが起きます。

筆者も過去のCMで エクスクルーシブを経験し、なんと6ルーティン続きました。このCM撮影のときは、筆者はアジア人枠で、フィリピン人妻と一緒に大きいスタジオに置かれたベッドで大量の照明を浴びながら、ずっと横になる状態で、休憩以外の時間を過ごしました。

筆者がエクスクルーシブを経験したZzzQuil のCM

筆者が出演したNIKEのCM

筆者が出演したHewlett-PackardのCM

この仕事は、CMに自分が出演するチャンスがあり、俳優志望の方にとっては、CM出演が外国における自分の仕事の実績となり俳優としての道が開けるチャンスになるかもしれません。

オーディションがないエキストラの仕事内容は、映画で大人数が映っている場面でのいちエキストラなどがあり、人数が多いので、前の方に出ていかないと画面に映りません。こうっいった現場には俳優志望の人もいて、そういった人たちは、画面に映ろうと、前に出ていったりします。筆者自身、O2の日本でのラグビーW杯のイングランド代表のCMにエキストラで参加した際に、撮影スタッフに日本人かと尋ねられ、そうだ。と返答したら、エキストラから武器を作る職人になり、いきなり報酬が15万円にアップしたという経験もあるので、目立つように動くことも重要です。
また、映画の撮影になると、1ヶ月ほど撮影期間があるものもあります。筆者もMINAMATAという映画にエキストラで参加しましたが、撮影期間は1ヶ月ほどでした。報酬に関してですが、ほとんどの場合、源泉徴収はされています。支払いが半年ぐらい遅れることもよくあったり、報酬が未払いになってしまう仕事も多いので、その点は注意しておきましょう。

次に、どのくらいの金額をエキストラの仕事で稼げるか私は試しに全てのオファーとオーディションを受けてみた結果、二年以上平均して年間100万円以上稼ぐことができました。

エキストラの撮影では、有名人と出会うこともあります。私は、MINAMATAという映画では俳優の真田広之さん、ハイネケンのCM撮影ではサッカー元ブラジル代表のロナウジーニョ選手に会うことができました。

日本に住んでいてもチャンスはある

日本に住んでいるけど、海外のエキストラの仕事がしたいと思っている人のための情報です。基本的には、エキストラの仕事はエージェントから連絡が来たら、すぐに行ける状態にある人が優遇されるため、チェコのプラハに住んでいることが望ましいですが、現在は、コロナ禍ということもあり、最初のオーディションがオンラインとなっていて、30秒くらいの英語での自己紹介のビデオを送る、日本にいながらのオーディションを受けることができます。ちなみにこのビデオでの英語力が審査に影響することはありません。晴れてオーディションに合格したら、フライトチケットを購入し、プラハへと旅立ってください。オーディションついでに、プラハ観光もぜひしてみてください。

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