この記事はアーティストの事務仕事アーカイブ編、第3回です。
今回はプレゼン資料を作る意味、活用方法について書いていこうと思います。
第2回プレス一覧についての記事はこちら
プレゼン資料作りをする理由
自分の考えた想いを十分に伝えたい
作品にはコンセプトやストーリー、つくった本人しか知らない面白い情報などがあるでしょう。
しかし、SNSやウェブサイト、展示会などで不特定多数の方に作品、写真やコンセプトテキストを見てもらっても、あなたが満足するほど作品の意味や想いを汲み取ってくれることはなかなかありません。
なぜなら皆、違った感性や経験値でものを見ているからです。作家本人とは全然違った見方や感想をもらうかもしれません。アートは、それぞれの解釈があることが醍醐味であって見方は自由、という定説がありますから、作家の意図を押し付けてはいけません。
しかし自分の想いをわかってほしいと思う作家の気持ちは自然なことです。
そしてスポンサーやギャラリスト、コンペなど、その作家の想いを100%伝えないといけない人、場面があります。
そういった時にプレゼン資料が必要となります。
短い時間で興味を惹きたい
あなたは公募団体展やビエンナーレで作品を展示しているとします。あなたのファンや友達はそれを目当てに来てくれるかもしれませんが、個展以外では、メインの鑑賞者はあなたの作品目当てには来ていない人です。
観に来る人は、あなたの作品一つにそんな時間と神経のチャンネルを合わせる余裕はありません。
+aとして簡潔なプレゼン資料、もしくはコンセプトボードを一枚から数枚に収まるようにつくっておくと、それがリアルでもオンラインの関係でも手早く見せれることにつながります。
プレゼン資料の種類と活用方法
プレゼン資料と一口に言っても様々なものがあります。
パワーポイントやkeynoteなどのスライド
おそらく多くの人が思い浮かべるものだと思います。今回言及するのは主にこの形式のものです。
一般的には既存スポンサーへの報告プレゼンだと5~10程度のスライドを使い、とにかく情報量を多くします。一方で新規スポンサー獲得のための営業などは、なるべく1枚のスライドにまとめます。またコンペや助成金の応募などの際も印象に残してほしい情報以外は極力減らすようにしています。
筆者も審査員の経験がありますが、コンペの審査では本当にたくさんの応募があります。しかし審査員はそれを1日とかで確認し、決めなくてはいけません。どんなにしっかりとした審査員でも文字情報は頭からこぼれ落ちやすいです。コンペや助成金応募に使うプレゼン資料は、大事な情報以外は極力減らしましょう。
映像、音源資料
スライド資料と合わせて使うことが多いと思います。映像や音源資料を扱う上で気をつけた方がいいことはファイルの重さです。重さによってはメールなどで送れないことがあると思います。そう言った際は、できるだけ長期間保存できるファイル転送サービスやクラウドサービス動画投稿サイトなどを使いましょう。
日本国内のファイル転送だと30日間保存できるギガファイル便、海外だと日本語、英語両方対応しているbitsendがお勧めです。クラウドサービスはdropboxやグーグルドライブが利用者も多くおすすめです。最近のコンペや助成金の応募でクラウドサービスを使うところが増えてきました。クラウドサービスについてご存知ない方は一度調べた方がいいかと思います。
動画投稿サイトはYoutubeやVimeoを使うことが多くあります。音源だとsound cloudが使いやすいかと思います。
一般に公開したくない場合はパスワードをかけたり、URLを知っている人のみのアクセスを可能にする設定などもあります。
今回上記であげたサービスは広く認知されたものが多いため、データ共有先の人も対応できると思います。
自分が一番使いやすいと思ったものを使われるといいと思います。
まとめ
これから先、コンペの2次審査、展示会場、スポンサー営業などなど、様々な場所で自分の作品や自分自身をプレゼンすることになると思います。今回のことが参考になると嬉しいです。
それでは第4回でお会いしましょう。
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第3回 プレゼン資料の作り方