全3回に渡りご紹介しているメタバーズとVictoria VR。中編ではVictoria VRのオフィスに潜入した。今回の記事では、Victoria VRのCEOとCOOのお二人へのインタビュー内容をお伝えする。
>【前編:Victoria VR】来るべきメタバース時代を牽引するVictoria VRとは何者か。
>【中編:Victoria VR】バーチャルリアリティをネクストステージへ。新たなエコシステムの構築に挑むVictria VRのオフィスに潜入。
一通り、オフィスの案内が終わると、取材陣はミーティングルームに招き入れられた。共同創業者のCEOのアンドリュー・ドブルスキーとCOOのアダム・ベンが席に着き、どういった経緯でこの大きなプロジェクトが始まったのか尋ねると、彼らは自分たちの創業ストーリーから現在、彼らが取り組んでいること、そしてこれからのVRの世界がどうなるのか、について話してくれた。
創業ストーリー
ーオフィスの案内、ありがとうございました。とても素敵なオフィスで、感動しました。
お二人は創業者ということですが、このVictoria VRのプロジェクトはどのように始まったのですか。
アンドリュー:僕たちのプロジェクトはいまから3年前に小さな部屋で始まったんだ。当時、僕は若い同僚のアダムとアパートで暮らしていて、その時に、ゲームや映画、それに僕が人生で経験したことのいいところを全て集めて、いつもVictoria VRのようなゲームを作りたいと思っていたんだ。それである時、二人で映画のレディー・プレイヤーワンを見終わった時に、僕たちは誰かがこの世界を作るまで待ちきれないと興奮気味に話して、誰かが作るのを待つんじゃなくて、僕らがそれをつくる人になろうと決めたんだ。それから、それぞれのアイデアを出し合って、それを一緒に合わせることになったんだ。アダムはブロックチェーンを愛していて、彼はいつも新しいブロックチェーンのプロジェクトの話をしていたから、僕らはユーザーが所有し、管理する透明性の高いブロックチェーンベースの壮大なバーチャル世界を創ることを決めて、
さらに、ラテン語で勝利を意味するVictoriaという言葉にちなんだVictoria VRという仮想通貨を作って、バーチャル世界のメインの通貨にすることにしたんだ。僕らは、20m四方の小さな部屋を1つ借り、リアルなグラフィックを備えたバーチャルリアリティの最初のMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)を構築するプロジェクトを始めたんだ。
ー3年でここまでプロジェクトが大きくなったんですね。3年の間に、ここまでプロジェクトが大きくなることは予想していましたか。
アダム:その当時から考えると凄いことだけど、僕らのプロジェクトはとても壮大なものだから、ここまで大きくなるのは予想できたよ。オフィスもちょうど2ヶ月前にここに引っ越してきてすごく広くなったし、いまチームメンバーで開発メンバーが46人いるんだけど今年の終わりまでに120人に増やす計画も立てているよ。
ーここまでプロジェクトを大きくすることができた要因は何だと思いますか。
アンドリュー:そうだね。やっぱり、アイデアとタイミングが大事で、その2つが僕らのプロジェクトには備わっていたことかな。僕たちはこのプロジェクトを本当に長い時間をかけて詳細に計画して、計画を実現するのに適切なテクノロジーが現れるのを待って、それらの組み合わせをテストしてきたんだ。それで、バーチャルリアリティでこれまで不可能だったレベルで完全にアップグレード可能な仮想世界を構築するソリューションをようやく見つけた後に、僕たちはこのプロジェクトに自分たちの持てるリソースの全てを注ぎ込んだんだ。それに僕らの独自のソリューションのおかげで、開発全体を極端にスピードアップし、非常に速く成長することもできた。だからこそ、チェコインベストと協力関係を結ぶことができて、ここまでプロジェクトを大きくできたんだ。
現在、取り組んでいるプロジェクトについて
ープロジェクトについて話をお伺いしたいと思います。いつ頃、私たちはVictoria VRのメタバースをこの目で見ることができるのでしょうか。
アンドリュー:僕らは、徐々にメタバースを立ち上げているよ。メタバースの全体は永遠に拡張していくだろうけど僕らは全てのメタバースを構築するまで、リリースするのを待つつもりはないから今年の終わりまでにビッグマーケットVRがリリースされる予定だからそれがビクトリアVRのバーチャルリアリティの世界の始まりになるね。その後に島全体が完成したらできるだけ早く追加して、将来的に機能、場所、ゲームクエストも追加していく予定でいるよ。
ーありがとうございます。続いて、バーチャル世界での通貨となるVR tokenについて話を聞きたいと思います。VR tokenを一般の人が買うことができる次の機会はいつになりますか。
アダム:すでに、VR tokenのコミュニティでの先行販売は終わっていて、24時間で売り切れたんだけど、最後に販売する回は、メインセールで、2ヶ月以内に実施する必要があると思っているよ。
ーVictoria VRのプロジェクトにおいて、VR tokenとはどういった位置づけにあるのでしょうか。そして、それは、どうやったら手に入れることができるのでしょうか。
アダム:僕らはPlay to Earnのメタバースを構築していて、その中ではユーザーはプレイすることでのVRトークンを報酬として得ることができて、投資側には投資することでVRトークンが報酬として支払われるんだ。それにVictoriaVRが資産を販売するために取得したすべてのトークンの50%は報酬を支払うプールに戻されるから、それによってこの経済はずっと活性化されて終わることなく続いていくんだ。
ーなるほど。そういったメカニズムでバーチャルリアリティの世界を運営していくのですね。次に、聞きたいのは、Victoria VRの構築するバーチャルリアリティについてです。具体的に、どういったバーチャルリアリティの世界を構築しようとしているのか教えていただけますでしょうか。
アンドリュー:僕らが作ろうとしているバーチャルリアリティの世界は、「Best Graphic Spot」にしたいと思っているからEpic Games社のUnreal Engineというゲーム開発エンジンを採用していてビジュアルを高いレベルのクオリティーにするように努めているよ。それに、風水の5つの要素を参考にして、バーチャルリアリティを作ってもいるよ。
ーいまのVictoria VRのプロジェクトにおいてターゲットとなっているのはどんな人たちですか。
アダム:いまの僕らのプロジェクトのターゲットは、ゲーマーだね。やっぱり、始めはバーチャルリアリティの世界を作っていく上で彼らの情熱や能力は必要不可欠なものだ。だけど、僕らのプロジェクトは、一部のゲーマーだけでなく、全ての人のためにあるものなんだ。僕らが作った世界では、実際に人々は生活して、自分が作ったものは全部自分で所有できるし、自分が想像したことは何だってできる、本当に素晴らしい世界さ。
ー夢のあるプロジェクトですね。そういった世界を実現するためにはクリエイティブなマインドが欠かせないと思うんですが、Victoria VRではそういったものをどうやって鍛えているのですか。
アンドリュー:僕らが実現しようとしていることは、これまでに誰もやったことがないことだからできないことをできる方法を探すことができたり、積極的に新しいことを学んでいこうとするオープンマインドが大事だと思う。それに僕たちは、才能がある人を選んで一緒にやっていきたいと常に思っているよ。全ての物事は実現できる。Everything is possibleなんだ。
ーEverything is possible、素晴らしい言葉ですね。プロジェクトに関して、最後にVictoria VRのバーチャルリアリティの世界におけるDAO(Decentralized Autonomous Organization)の役割に関して教えてください。
アダム:僕らのバーチャルリアリティーの世界におけるDAOは、ユーザーたちが自分たち自身でこの世界がどのように運営され、進化していくのかに関して決定する方針を管理していくことを意味するんだ。DAOは、最も重要なバーチャルリアリティーの世界を構成するスマートコントラクトやデジタルアセットを所有していて、この仮想空間で、何かを作ったり、遊んだりする人々やユーザーにこの世界の未来の進化を管理する権限を与えるんだ。それに、この世界の全てのゲームのアセットは、ユーザーたち自身が作って、ブロックチェーン上に登録されるんだ。つまり、Victoria VRのバーチャルリアリティーの世界はこの世界内の全てのコミュニティのためにユーザーたちが作ったルールに完全に管理されているということなんだ。だから、基本的にVR LandやVR tokenの所有者がこの世界に未来に関してブロックチェーンの上で、投票し、決めることができるんだ。100%運営の手続きが可視化されているフェアな世界さ。
これからのVRの世界
ー詳しくDAOについて教えていただきありがとうございます。次に、これからのVRの世界についてお聞きしたいと思います。VRの世界がもっと一般に普及するにはどんなことが必要だとお考えですか。
アンドリュー:そうだな。一番は、ヘッドセットかな。いまのヘッドセットは性能が十分ではないから、もっと良くなって欲しいね。そうしたら、いまはコロナになってから会議とか全てがオンラインになったわけだけど、zoomじゃ十分ではないと思うからバーチャルリアリティはそこに対するアナザーステップあるいは、もう一つのロジカルステップになると思っているよ。家にいながらどこにでもいけるし、PCだと、あっちもこっちも見るから目に悪いけどVRなら一つでできるし、慣れたら、20時間ぐらい連続でヘッドセットをつけることもできるから。
ーありがとうございます。これからVRの世界やメタバースではどういったことが起こってくると考えていますか。
アダム:これからの世界がどうなっていくのかに関しては、チームでもよく話しているよ。メタバースというのは今までにない新しい世界だから、いろいろなことが起こってくると思うけど、バーチャルリアリティの世界で過ごす時間が増えるについて、みんな自分という存在は、ただのアバターなんじゃないかと考えるようになると思う。銀行とか会社とかが出てくるのは間違いないね。それに美術館や大学といった施設も出てきて、現実より効率的にさまざまな体験ができるようになるし、いま現実で、起こっているような社会的な問題も起こってくるだろうからDAOがそういったことを防ぐルールを作っていくことになるだろうね。だから、このメタバースという現象はとても興味深い社会実験になると思うよ。
ー余談ですが、日本については、どのような印象を持っていますか。
アンドリュー:日本はロボットが優れているよね。知ってるかい。ロボットはチェコ語なんだよ。カレル・チャペックが造った言葉なんだ。
ーそうなんですね。それは知らなかったです。ありがとうございます。
最後に、Victoria VRが見据えている未来について教えてください。
アダム:僕らが目指しているのは、Better than this World なんだ。つまり、いまある世界よりも、より良い世界を作るということ。Victoria VRのプロジェクトを通じて、いままでにないことを実現して、全ての人にとって素晴らしいと感じることができる世界をつくっていくよ。
ーBetter than this World!これも非常にビジョナリーな言葉ですね。 詳しくお話しをお聞かせいただき、ありがとうございました!
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