第1回 芸術分野の助成金、奨学金取得の事例と対策法〜団体助成を紹介〜

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今回から3回に分け、芸術分野の助成金や奨学金について書いていきます。

第1回はどのような種類の助成金や奨学金があるのか、そして団体助成を中心に書いています。

助成金について

アート、芸術の個人での制作活動、団体によるイベント企画など実現化させるには費用が多く発生します。

それを文化財団の助成、補助金があなたの活動をバックアップしてくれます。助成金の多くは、企業もしくは行政の資金によって運営されている文化財団から給付されます。

助成金には大きく分けて「団体助成」「個人助成」があります。

その個人助成には展示やプロジェクトを一過性企画への助成、留学や海外研修を一年間などの期間で毎月助成金がもらえる奨学金的な助成があります。

今回は団体助成について説明します。

団体助成の応募で気をつけること

美術館やNPO法人など多くの機会において自分の展示に関わっている団体があるかと思います。

まず重要なことは、応募条件の項目に関わりのある機関の条件、応募したい企画内容全てが当てはまっているか、ということです。

財団によって細かな応募条件が違います。日本の団体が海外で展示する場合、外国の団体が日本関係の文化を紹介する場合、その他細かく規定がありますのでそれに当てはまる財団をリストアップしてください。もし当てはまるか微妙な場合はすぐに財団に問い合わせることが良いでしょう。

次に一般的に必要となる「企画コンセプト」「推薦書」「団体の経歴や定款」「収支予算」「前年度の会計資料」「参加アーティストのデータ」について説明していきます。

提出物

企画コンセプト

企画の概要、コンセプト、作品構成など様々な項目に分かれている場合、そのタイトルの質問をちゃんと答えていることが大事です。他の項目欄にも同じ事を書いていないかはよく確認してください。

この企画がいかに文化に必要なことなのか、日本人の自分の展示が外国に対してどのような起爆剤となるのか、など今後の私たちの社会に対するメリットを説得できる説明が必要です。行政関係の教育財団は地域に密着した企画が好まれます。その地域社会への影響を中心に組み立てましょう。

推薦書

「推薦書」は同じ財団に二人の申請者を推薦することは基本ありませんので、他の団体にお願いされる前にお願いした方がいいです。

推薦者は推薦人として頼まれ慣れているので対応には丁寧さと情熱が大切です。良い関係を維持してください。

収支予算書

1年ほど先の企画で応募する場合、企画の詳細が決まっていない状況で算出しなくてはいけません。

どれくらいの経費がかかるかわからない状況だと予想がしにくいので大変です。

その中で言えることは基本的に多めに見積もることです。

例えば30万円の申請金額のうち、20万円が制作費、作家交通費に10万円と記載したとします。

その後実際には制作費15万円、交通費が15万円かかってしまったら、合計30万円ではなく、制作費15万円と交通費10万円の計25万円しか貰えないことがあります。

基本的に、申請額以上の金銭をもらうことはできず、逆に申請額より少ない場合はお返ししなくてはなりません。

公共財団はそこがしっかりしており、領収書などの提出が義務付けられているところも多いです。

よって費用の見積もりは少し高く見積もって申請することをお勧めします。

ただし企画実現の説得力がないと助成金は貰えません。

利益に釣り合わなさすぎるくらい費用を高く設定すると企画成立へ疑問をもたれてしまいます。

そのような企画に助成金を払うのはリスクと取られかねません。

あくまで多少高く見積もる程度にしましょう。

参加アーティストのデータ

もちろん人によりますが、連絡やコンタクトが細かく取れない人も多々います。何人もの外国人が参加する企画でしたら早めにわかりやすく必要事項をお願いすることをお勧めします。

募集団体によっては日本語訳をつけなくてはいけません。

定款など規則をまとめたもの、前年度の会計資料

こちらはどの財団でも団体募集の場合は求められます。

上記に加えて組織表の提出が必要なところもあります。

おそらく銀行口座の設立などの時に、任意団体などでも定款を定めていると思います。

そのコピーを提出しましょう。

まとめ

今まで何回か自分の展示先の美術館など団体を通して申し込んだこと経験がありますが、かなりの確率で取得できています。倍率は大きくないと思います。

次の第2回では個人助成を中心に書いていきます。
また、助成を公募している団体も紹介しています。

参考にしてください。

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