「デザイン思考?アート思考?」ビジネスにどう結びつけるか

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近年ビジネスの世界でもアートやデザインに纏わる言葉が使われるようになってきました。

それに伴い、私たちアーティストが全く違う分野の人たちの前で話をさせていただく機会も増えてきました。

その中でテーマに上がりやすいデザイン思考、アート思考について言葉の意味やビジネスの関連性について考えてみました。

デザイン思考とは 

デザイン思考の定義は、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指します。

デザイン思考は意外と古くからある考えで、最初に提唱したのはノーベル経済学賞を受賞したこともある政治学者、ハーバードサイモンと言われています。

彼の著書“The Sciences of the Artificial”(1969)でデザイン思考について初めて言及されています。

それからも研究が進み、今現在デザイン思考には7つのプロセス、定義(define)、研究(research)、アイデア出し(ideate)、プロトタイプ化(prototype)、選択(choose)、実行(implement)、学習(learn)があるとされています。

この一連の7つのプロセスを通し、問題(消費者のニーズ)を見つけそれを問題として定義し解決・改善へと思考を導いていきます。

この様なフローが定まっているものは大企業が好物としており、2013年以降クリエイティブ思考と一緒に爆発的に認知度が上昇しました。

アート思考とは

アート思考はビジネス用語としては新しい言葉で、デザイン思考程明確な定義はできません。また、デザイン思考と対義で使われることもあります。 

デザイン思考は7つのプロセス、つまりある程度の枠組みを作り考えるものでした。

大まかなフローは問題を探索→設定→解決→改善でした。

一方でアート思考はその様なフレームワークを排除し自由に発想します。

特定のテーマに対して感性など自分の内面で物事を発想していきます。

あえてフローを設定するならば問題提起→感性から発想→提案です。

アーティストはアート(自由)という広大な海の中で自己表現します。

そのフローを真似ることがアート思考です。

ビジネスの世界でどちらの思考を求められるのか

答えはどちらも必要だと思います。ニーズを探し、それを解決する。これは企業の存在価値とも言われていました。

今でもそれは変わっていません。しかし昨今は50年前に比べて人々の生活は裕福になってきました。

無くてはならない商品以外でもあったら便利な商品に対しても消費者はお金を使える様になってきました。

これにより、社会に存在する問題を見つけ解決できるものを考えるだけでは無く、問題を自分で設定し、その解決方法を提案できる時代へと移り変わってきました。

ニーズには二つの種類があります。

不便だな、困るなと消費者が自覚している顕在ニーズと消費者も自覚していない潜在ニーズです。

この二つのどちらを知りたいのか、それにより思考法を切り替えるべきです。

顕在ニーズは消費者の行動やインタビューなどを分析すれば見えてきます。自分の中、チームの中だけで自由に発想しても遠回りになったり筋違いなものになってしまいます。

よってデザイン思考の方が適しているでしょう。一方で、潜在ニーズを考える上でデザイン思考は向いていません。

既存の製品で解決できるニーズはすでに顕在化しているはずで、顕在していないニーズを解決できる製品はこの世に存在していない可能性が高いです。

0から1を生み出すには限られたフレーム内で考えるより、自由な発想、つまりアート思考の方が適していると思います。

まとめ

今回はデザイン思考とアート思考について考えてみました。歴史の長いデザイン思考はまだしも、アート思考に関してはかなり曖昧な概念だと思います。それらの考えの集合体としてアート思考という概念を自分なりに説明することがゴールのひとつかもしれません。ではまた別の記事でお会いしましょう。

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