アートやクリエイティブな仕事をプロとして、毎日のように、そして一生やっていくんだという気持ちで向き合っていることは毎日幸せなことであり、大変な作業です。
今回はクセにすると便利なルーティーンについて、言葉の意味、なぜするべきか、ルーティン化の例を書いていこうと思います。
ルーティーン化とは
そもそもルーティーンとは、ルーチン、ルーティンとも呼ばれる日課や習慣、定型的な行動のことを言います。
スポーツの世界でもよく使われており、野球のイチロー選手がバッターボックスに入る時に投手に向かって腕を伸ばす仕草や、ラグビーの五郎丸選手がキックの前に手を組むポーズなどが有名かと思います。
スポーツ選手はこれらのルーティーンを行うことで、いかなる時も気持ちをフラットに、冷静にするために行っています。
今回紹介するのはそう言ったマインドリセットのためではなく、作品のアイデアを安定して出せるよう、特技や作品カラーを見失わないために紹介しようと思います。
ルーティーン化した方がいい理由
健康、お金、人間関係、日々の生活、それだけでも十分忙しいのに、さらに時間とお金、神経、熱意を注いで自己表現を社会に出すのは至難の技ですよね。
毎回何かをする度に0→1で作っていたらとても大変です。
なるべく論理的に感覚が動いた様子、作業の手順、考えるべきポイントなどをルーティーン化することが重要です。
このルーティーン化、続けていくことでそれが作家としてのスタイルとなり、作品に色として現れてきます。
全く何も考えていない時に降ってきたアイデアがあったとしても、一度自分のルーティーンに当てはめて再考すべきと言えるほど大事なものだと思います。そうやって自分のスタイルに新しいものを取り入れていきます。
ルーティーン化の例
では何をルーティーン化すればいいでしょうか。
まず、皆さんも何か新しいことや面白いことを過去に思いついたことあるでしょう。また、なにかおもしいものや作品などつくった時、それがつくられるまで色々な背景があったことを覚えていますか?
この、自分の過去の成功事例を時間軸で紐解き、同行を追っていくのです。
いくつかルーティーン化の例を挙げてみます。
*プロセスを辿る
過去の作ったもの、描いたものなどを見返し、これができる前のことを思い出しましょう。
はじめはゼロで今回何かのきっかけからアイデアや発想が生まれたのを思い出してください。それがどういう経緯でここに至ったか、何が理由で変化してこうなったか、など思い出してみてください。
それをいくつかの作品でやってみて共通点を探してみてください。
その共通点から毎回作品を考え始めることをルーティーンとしている人もいます。
その共通点がブランドイメージとなり作家の癖や色として認知されていくかもしれません。
*自分のスタイルを作る要素を項目立てる
ブレインストーミングをし、自己のスタイルやこだわりを引き出してみます。
そのスタイルやこだわりをもとに作品をつくってみて、一番手応えのあったものを中心に発想していくようにします。
例えば、ガラスのヒビに強いこだわりがあり一番しっくり来るものとします。
そうした場合、ガラスのヒビから発想することをルーティーン化します。
ガラスのヒビで社会をどう表現するか。ガラスのヒビを違う材質で再現するのはどうだろうか。ガラスのヒビを映像作品に使えないだろうか。
このように一つのことから思考を始めるとアイデアを膨らませることは容易です。
この思考のルーティーン化は無意識の中でやっている人も多くいるでしょう。
*作品完成後にひたすらメモ
制作中に気になった点や制作後に気づいた点をひたすらメモします。そしてそれを改良する方法など一緒に書きます。
その後すぐに次の作品の粗方の概要をつくってしまいます。
制作中、完成後は最もインスピレーションが活性化されています。
次の仕事が決まってなくても大体どのような作品をつくるのか決めておくことをルーティーン化すると次の制作で迷わず始められます。
また制作と制作のインターバルを有意義に勉強に使えるのと、つくらない間のストレスや謎のプレッシャーから解放されます。
次につくるときの題材が全く予想できなくても、この素材でつくろう、この技法をつくろう、このアーティストを参考にしよう、過去のこの作品を発展させよう、などは決められます。
次の制作のスタートラインを決めておこうというものです。
まとめ
今回はルーティーン化の意味と例について書きました。
ルーティーン化によってクリエイティブワークがマンネリ化したり、作品の傾向がにすぎるといった心配もあるかと思います。
確かにそのようなこともあるでしょう。しかしそれを考えるのは3年、5年、10年など続けてからでも十分いいと思います。
またルーティーン化と言っても例に挙げたとおりいろいろあります。
自分にとってあったルーティーン化を探すためにも自分の制作プロセスは文字や映像で必ず残しておきましょう。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。