アーティスト・イン・レジデンス(滞在制作)参加注意点やアドバイス

アーティストインレジデンス Articles in Japanese

「滞在制作(別名:アーティスト・イン・レジデンス)」

アートに関わっている方には1度は聞いたことがある言葉かと思います。

今まで私が20回以上アートレジデンスに参加した経験からレジデンスに関する

・概要

・魅力

・応募する際に気をつけてる点

・個人的な今後の展望

などまとめてみました。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければ幸いです。

アーティスト・イン・レジデンスとは

一言で言えばあるアート関係の施設に一定期間滞在して作品を創るプログラムになります。

Artist in Residence を訳してA.I.Rと表記される事も多々あります。レジと呼ぶ人も多いでしょう。

アーティスト・イン・レジデンスは海外に滞在し制作するという経験以外にも、キャリアとして活用することができます。多くの人がアーティストインレジデンスの活動歴を自分のCVに記載しアピールしています。

世界と日本のレジの違い

日本、アメリカ、欧州は多少環境が違います。ヨーロッパは特に小規模のレジデンスプログラムが多いことが特徴的です。個人の資産家が運営しているもの、市が関わっている文化事業、アーティストが自主開催しているものなど形態は様々です。

渡航費支援をしてくれるA.I.Rは少なく、日本からの飛行費用を出してくれるレジを見つけて採択されることは難しいですが一度せっかく渡航できたら、そのまま一度の渡航で2つ3つのAIRに参加する人も多くいます。日本のAIRはシステムやケアがしっかりしている印象で、例えば渡航費を出してくれたり、滞在中に地元の人との交流会やワークショップがプランに組み込まれていることが多い印象です。

参加メリット

作家としての経験値、人生のより広く豊かな感性を磨くためがまず挙げられます。

アーティスト・イン・レジデンスは、決められた期間の中で、リサーチ→制作→発表をやり遂げないといけません。アイデアは期間前からこさえて現地に行くと思いますが、期間内にそれを消化し、その過程で肥したり変更させたりします。他者から決められた期間内でインスピレーションから創作、完成、プレゼンまでの経路を考え実行するにはそれなりのスキルや経験値が必要でしょう。

知名度が高い、もしくは大規模なレジだとキャリアアップや、次のレジにいく足掛かりになってくれたりします。

小規模なレジなどででは特にアートコレクターや展示チャンスなど、動けば人脈や別の展示の機会などに広がっていきます。私も周りの知り合いも何人もがレジデンス期間で出会った関係から次のレジデンスや展示のチャンスに繋げています。今は少なくなってきたかもしれませんが2000〜2010年代はアートレジデンスを繋いで世界中を旅行xアートの感じで、武者修行をする放浪侍のような人もいました。(私はそういった人たちをレジ侍と呼んでます。)

自分の知らない土地でのクリエイティブなインスピレーションやアイデア、材料、作品はアートと自分の可能性を広げてくれます。

アート以外でも得られるものは多くあります。

友達、それ以上の関係になれる人がたくさんできますし、全然違う国籍の人とたくさん話し、ネットには書いていない風習や文化なども知ることができます。(こういった積み重ねがコンセプトの説得力や言葉選びに表れます。)

アーティスト・イン・レジデンスで招聘された芸術家という信用が、現地の面白い人と繋げてくれたり、ただ親交を深めるだけではなく作品売買など一歩踏み込んだ話をする事もできるかもしれません。

応募で気をつけること 

アーティスト・イン・レジデンスは調べるとかなりの数が見つかります。全部に応募することは時間の観点からお勧めできません。

私なりの判断基準を紹介いたします。

1. 自分が当てはまるジャンルやオファーの応募か、そして行きたいと思えるか

アーティスト・イン・レジデンスにも色々あります。

都会の中心に滞在し、デジタルアートがテーマのもの、田舎に滞在し、自然がテーマのもの、木彫など材料が限定されているものなど、自分がやっているジャンルと当てはまるか、そしてその場所やレジのコンセプト、経験やキャリアとして魅力があるかなど吟味します。

2. 審査に応募費用が必要か無料か

コンペの応募費用がかかるケースコンペは半分くらい、アーティスト・イン・レジデンスは1割くらいの確率であります。

アーティスト・イン・レジデンスの場合は日本円で応募費2000円くらいが相場かと思います。

3. レジデンス期間が自分が行ける期間と当てはまるか。

レジは3週間から1年の期間があり、1-2ヶ月の滞在要求が多くあります。

1年間のうち期間が決められているものや、1-3月、3-6月、10-12月などの中から希望する期間を選べるものもあります。

期間が決められているものは、定期的な仕事やバイトがある人アーティストにはかなり痛い条件となります。また大学生の方は、夏休みに当たる期間を選ぶかと思いますが、その期間は学生の倍率が高くなってしまうため、大変難易度が高くなります。

一方で、クリスマス~年末にヨーロッパやアメリカに滞在するのは倍率低い傾向があるためお勧めです。

4. 応募者の国籍、年齢、ジャンルなどの制限が当てはまるか

バルト三国の人だけ、ドナウ川沿いの国(ハンガリー、オーストリア、スロバキア、ルーマニアなど)の人、大阪で作家活動拠点がある人、などの応募条件なもあったりします。

5. 応募締め切りは大丈夫か

アーティスト・イン・レジデンスの締め切りはコンペなどに比べてかなり早い段階から募集が可能です。希望滞在期間の約1年前頃に応募期間が締め切りが決められています。

英語で記載、場合によっては海外に郵送しないといけないことがありますので締め切りはよく確認しましょう。

6. 渡航費、滞在費の援助額

滞在制作プログラムだからといって、滞在場所が無料で貸してもらえないものも多く、家賃を作家に負担してもらうプログラムもあります。よくご確認ください。

7. ビザが必要か

EU圏内だと3ヶ月間日本人はビザなしで滞在できます。EU圏に180日間のうち3ヶ月間の滞在可能であって、3ヶ月滞在後、一度日本に帰国したら、180日間はEU圏に再入国できません。

ビザが必要な国、例えばロシアなど、どんなに短くても大使館までビザの申請に行かなくてはいけませんのでそこも念頭に置き応募しましょう。

8. その他の条件

作品を滞在後に展示するかしないか、作品を寄贈するかしないか、ワークショップやプレゼン、講演などがあるかないかの条件も確認しましょう。

アーティスト・イン・レジデンスに参加する意図は様々だと思います。

海外で自分のテーマを深めたい、新たなテーマを見つけるインスピレーションを得たい、海外での展示というキャリアを得たい。

特にお金を払う必要のあるプログラムに参加するならば、闇雲の参加していると費用ばかりが嵩んでしまいます。

自分のニーズにあったものに応募しましょう。

 

今後の展望

 

展望

 

2020年8月現在、アーティストレジデンス関係はご周知の影響で、海外渡航はおろか人同士の接触さえ困難が続き、応募開始を延期や中止したりしているところがあります。

しかし、意外にも来年以降の募集を再開しているところも増えています。

ただ、出発直前の中止や延期も考えられます。ワーキングホリデービザは各国1回ずつまでしか取れません。申請後のキャンセルはできないため、ビザをなるべく無駄にしないようにしてください。

しばらくはビザなしで行けるプログラムのみ応募することをお勧めします。

まとめ

自分も20個以上の大小様々なレジに参加しました。人生経験、アート武者修行、未知なものを見たい、色々な理由はありましたがとにかく一切の後悔はありません。皆さんもアーティストレジデンスを足がかりに世界での活躍の場を広げてください。

最後にアーティスト・イン・レジデンスを探せるサイトを貼っておきます。ぜひ探してみてください。

日本のAIRまとめ

https://air-j.info/program/yui-port_2021_winter/

海外のAIRまとめ

https://www.transartists.org/map

それではまた別の記事でお会いしましょう。

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