皆さん「作る、つくる、ツクル、造る、創る」の使い分けは知っていますか?
活動のどんな場面でも、この “つくる” という言葉をよく使うと思います。
言葉が字面の意味以上を持つため、専門家はかなり意識して使い分けをしています。
文字ひとつひとつを深く読み解く現代アートのコンセプトにおいて、漢字を使い間違えるだけで誤解を与えてしまうことがあります。
今回はアート業界がよく使う、“つくる” の使い方について書いていきます。
国語辞典の説明
まずは国語辞典の記載を見てみましょう。
つくるの意味
1 材料・原料・素材などを用いたり、それに手を加えたりして、まとまりのあるものや意味のあるものに仕上げる。建物・器具・物質・芸術作品などを製造・製作する。
[補説]一般的には「作る」が用いられ、「造る」は家や船など大きなものをつくること、また、酒を仕込むことに用いられる。「創る」は創刊・創業・創作・創造・創立などのように、新しい物事をつくりだす意で使うが、製造・製作・育成・栽培などに関しては使わない。出典 デジタル大辞泉(小学館)
2農作物などを、世話したり力を注いだりして、育てあげる。土地を耕す。
3 いままで存在しなかったものを新しく生じさせる。「子供を―・る」「地方に支店を―・る」
4 意図的に工夫して、形・状態を現出する。わざとそのようなようすをする。「口実を―・る」「庭を秋の野に―・りて」
5(「時をつくる」の形で)雄鶏 (おんどり) が、ある時刻に声高に勇ましく鳴く。「早朝に鶏が時をつくる」
6 囲碁で、双方の地 (じ) を数えやすくするために盤面を整理する。「終局して碁をつくる」
7 罪や功徳のもととなることをする。
この説明だとどの漢字でもアート作品に使えそうで、迷ってしまいますね。
しかしアートの世界では使い分けないと、少しの誤解を与えてしまうことがあります。
アートジャンルの “つくる”
作る:一般的なつくることを指します。アート作品において「作る」と書いたら、図工工作的に見ているという様に認識されます。
ツクル:コンセプチャル、ポップカルチャーに影響受けているイメージなります。かなり意識してカタカナを選んだと他人から思われるかもしれません。
つくる:よく使われます。美術教育系のジャンルでもよく使われるイメージです。逆に深く読み取る必要がない時に使います。
造る:造形系、手でつくるものに対して使います。
創る:アート系、宗教系、哲学系の時に使われます。物質だけじゃなく考えや抽象的な概念などを表す時に使います。アートの作品に使われる場合は、自分で使うのではなく他者が自分の作品に対して使うときはあり得ます。
ちなみにアート業界では一般的につくることを”制作する”と言います。製作ではありません。
まとめ
今回はアートにおける “つくる” の文字の使い方のバリエーションについて書きました。
何かしらの論文などの引用ができたらより納得いただけたと思いますが、残念ながら見つけられませんでした。
もし見つかりましたら追記しようと思います。
この記事が参考になりましたら幸いです。また別の記事でお会いしましょう。