想像力を高め、磨きをかける ~森美術館館長からのメッセージ を紹介〜

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現在私たちが生まれて初めて経験するウイルスによるパンデミック。不安と心配が増幅し、改めてアートの必要性、アートの意味、立ち位置などを考える悶々としたステイホーム期間が続いています。

そんな中先日、森美術館館長の片岡真美館長がパンデミックと今後のアートや想像力についてお話しされていた内容が、今を捉えていて、とても共感できる内容で感動したので紹介させていただこうと思います。

以下片岡館長の言葉になります。

こんにちは。

森美術館館長の片岡真美です。

新型コロナウイルス感染防止のため、森美術館も2月29日から臨時休館中で、スタッフも在宅勤務となって、数週間が経っています。外出の自粛はまたとない貴重な時間を与えてくれています。

私は目に見えないウイルスとの戦いの中、想像力の重要性について考えていました。

今まさに私たちの想像力を強化し、研ぎ澄ます時を迎えているのではないでしょうか。

2つのことを想像してみましょう。

1つは目に見えない繋がりです

今回のパンデミックによって全てのことが、いかに複雑に関連しあっているかが明らかになっています。

それは政治や経済だけでなく、私たちの日常を取り巻く全てです。

そして私たちそれぞれの小さな行動が、世界の状況にも大きな違いをもたらせているのです。

現代アートは、世界各地の様々なアーティストの作品や、その背景を通して、世界がどのように構成されているのかを想像するのに、最もふさわしい実践だと考えています。

実際全ては繋がっていて、私たちもまた、周囲との相互依存的な関係性によってのみ、存在しているのです。

現代アートは人類の歴史、自然界を含む世界の秩序、生きるために何が本質的なものなのか、私たちの存在の意味、そしていかに人間性を回復できるのかを教えてくれます。

このことを実感するためにも、想像力を活性化することが必要です。

2つ目は距離を想像することです。

ソーシャルディスタンス、社会的距離を維持するためには、私たちを取り囲む見えない空気や空間を想像しなくてはなりません。

現代アートを通して世界がどのような構造になっているかに監視を向けてみると、世界のあらゆる断片と自分自身がどんな距離を測ればよいのかが見えてくるでしょう。

ソーシャルディスタンシングがこれから数年間は新しい日常になるかもしれないとき、この距離への意識は大変重要なものになっていくと思います。

みなさんと現実世界でお目にかかれる日を心待ちにしています。

それまでの間、ぜひ一緒に想像力を鍛えてみましょう。

最後にオノ・ヨーコさんのインストラクション作品から1963年のEARTH PIECEをお届けします。

“Listen to the sound of the Earth turning

地球が回る音を聞きなさい。

紹介動画

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