デッサン初心者必見!魅力、始め方、実践場所を解説~デッサンに絵心は必要ない!~

アートワークログ

こんにちは、画家の牧弘子です。

以前のブログで美大卒業後のおすすめのアルバイトの一つとして講師の仕事を紹介しましたが、私もいくつかの教室でデッサンの指導にあたっていた経験があります。

美大卒業後の仕事って?作家活動を続けながらみんなどのような仕事をしているのか、解説します (https://artsurviveblog.com/art-work-log/art-school-work/1149/

そこでよく耳にするのは、「小さい頃から絵を描くのが苦手で・・・」「昔から絵心がなくて」「絵が描けたらいいなとは思うけど、今更描けるようにはならないよね」などなど

デッサンに「絵心」や「才能」は必要なく、枚数を重ねれば誰でも上達することが出来ます。私ももちろん初めは全く上手く描けませんでしたが、5~60枚描いた後にはある程度のデッサン力は身につきました。

デッサン力がある=「絵心がある」「才能がある」とは言えませんが、ある程度のデッサン力が身に付けば、絵を描くことに抵抗がなくなり、苦手意識も薄れると思います。

今回のブログでは上記のような理由でデッサンを敬遠してしまっている人に向けて、デッサンの魅力と実際に始めるにあたって、きっかけが掴めるよう記事にまとめていきたいと思います。

デッサン力はどこで役立つ? 

デッサン力がダイレクトに役立つ職業は以下のようなものが挙げられます。

画家、イラストレーター 、アニメーター、絵本作家、漫画家、など。

最近ではスマホゲームの普及もあり、ゲームのイラストのためにデッサン力を伸ばしたい、という人の需要が伸びてきています。将来これらの職業に就きたいと考えている人は、基礎としてデッサン力を伸ばしておくことをおすすめしますし、既にこのような職業に就いて働ている人にもスキルアップのためにデッサン力を鍛え直すのはおすすめです。

ある程度模写などから独学で絵が上達した人にとっては、今更基礎であるデッサンを学ぶ必要があるのか?と疑問を抱く人もいるでしょう。しかし既に誰かが描いた絵を模写して画力が上がっても、その絵以上には上達せず、応用が効かなくなってしまいます。自分独自のオリジナリティを出すためには、基礎であるデッサン力は重要です。

巨匠ピカソが実は幼少期から優れたデッサン力を身に付けていたことは有名な話です。 

ピカソ「Plaster male torso 」(1893年)

ピカソ12歳の頃のデッサンです。

また抽象表現で有名なパウル・クレーも優れたデッサン力を持っていました。 

パウル・クレー「私の部屋」(1896年)

絵に直接関わる仕事以外にもデッサン力を身につけることがスキルアップに繋がる、あるいは役立つ職業は他にもあります。

例えば美容師やメイクアップアーティスト、ファッションデザイナー、建築家などです。物を立体的に捉える、絵で人に何かを伝える職業ではある程度のデッサン力が求められます。

デッサンをする上で重要なポイント

実際にデッサンを始める前に、まず頭に入れておいて欲しい項目があります。

・完成までのプロセスを想像する

これが一番重要なポイントです。闇雲に描き始めるのではなく、まずは完成を頭の中で想像することが重要です。時間に制限がある場合は、どの程度の完成度を目指すのか、どういう行程を経てそこまで辿り着くのか、まずは想像してみましょう。

その後は練習用の紙に簡単に描いてみます。これをエスキースと言います。何枚かエスキースをして、具体的に完成までの道のりが見えたらデッサンを始めます。

・頭で考えすぎずに目で見た物を描く

これは特に人物デッサンをする際に言えることなのですが、長年自己流で絵を描いてきた人は、描く対象である人物をよく観察せずに紙ばかりを見て描いてしまいがちです。頭で思い描く固定概念に捉われすぎず、描く対象を見る時間と紙を見る時間が8:2くらいになるよう意識しましょう。

・造形を理解する(触れるものは触る)

これは一つ前のポイントに関連して言えることですが、頭で理解している形と実際の形は違います。描く対象がどういう形をしているのか、目でよく観察することに加えて実際に触れられるものであれば触ってみて、触感でも形を理解しましょう。

・自分を信じすぎず、常に疑う

どんなにデッサンが上手な人でも、一発で狂いなくデッサンが取れる人はいません。だんだん形が決まってきて細部を描き出すと、その箇所に集中しすぎて全体のバランスが崩れるというのはよくあるケースです。デッサンのどの段階でも常に自分を疑い、全体を見ながら完成を目指します。

デッサンを描く画材 

デッサン力をこれから身に付けたいという初心者の方が、まず手に取りやすい画材は鉛筆でしょう。他にもデッサンでよく使われる画材に木炭、コンテなどがあります。

鉛筆デッサン

必要なもの:鉛筆//練り消し/カッター/計り棒

(鉛筆)

鉛筆は色々な濃さがありますが、まずは硬すぎず、柔らかすぎないBか2Bあたりから描き始めると描きやすいですし、間違った時も消しやすいです。

(紙)

ワトソン紙やケント紙など様々な種類があり、描き心地はそれぞれ異なります。実際に画材屋さんで手にとってみて、気に入った物を選びましょう。紙は小さすぎると描きにくいので、大きめのサイズ、A3程度の物を用意すると良いです。

(練り消し)

練り消しは紙を痛めることなく少しづつ消すことが出来、微妙なニュアンスを表現することが出来ます。

(計り棒)

形態の把握や構図の確認に用いる補助用具で、あると便利です。

木炭デッサン

必要なもの:木炭(数種類)/木炭紙/練り消し/カッター/計り棒/ガーゼ/擦筆/パン/フキサチーフ

(木炭)

木炭は木材の質によって、様々な硬さや濃さがあります。色々と試してみて自分に合ったものを見つけましょう。

(ガーゼ)

木炭の粉をはたきおとしたり、のばしたりするのに使います。

(擦筆)

描写した部分を上から押さえつけたり、擦り込んだりすることが出来ます。

(パン)

木炭を消すのに使います。練り消しよりも画面を傷つけず、さらに微妙なニュアンスを出すことが出来ます。

(フキサチーフ)

スプレー状のもので、描いたものを画面に定着させることが出来ます

この他にもチャコールペンシル 、パステルなんかもよくデッサンをするのに使われます。

都内でヌードデッサンができる場所 

デッサン力を上げたいという人の中で、人物の造形を理解し、違和感の無いように描けるようになりたいという要望を持った人も多いのではないでしょうか?人物デッサンは動かない静物デッサンと違い微妙に変化しますし、人体は非常に繊細な造りなので、描くのが難しい分、勉強になることが多いです。

絵画教室は全国各地にあり、デッサンを学ぶことは可能ですが、人物デッサン、特にヌードデッサンを単発で描くことができる場所は限られています。1ポーズ数分で描くクロッキー会は多く開催されていますが、数時間かけてじっくりヌードデッサンができるデッサン会はごく少数です。もちろんクロッキーでも十分人体の構造を学ぶことは出来ますが、長時間かけて一枚のデッサンを描くことで学べることは非常に多いです。分かる範囲のみになりますが、都内でヌードデッサンができるデッサン会をいくつかご紹介したいと思います。

デッサン会では講師が付いて描き方やコツを指導してもらいながら学ぶ方法と、指導無しの2種類あります。全くの初心者の場合はある程度初めに指導してもらう方が良いでしょう。鉛筆一つとってみても通常文字を書くときとは削り方や握り方から異なります。ただし指導者が付くとその分当然料金は高くなります。なので金銭面を考慮に入れて上手くバランスを取りながら選んでいくといいです。

・Tokyo Artists League(https://tal.tokyo/ja/events/blogger/naomi

・文房堂アートスクール神田校(http://www.bumpodo.co.jp/img/school/school_allcourse.pdf

・東京クロッキー会(https://www.tokyoarts.net

・中野デッサン教室(https://amps-web.biz/dessankai.html

・アトリエ・t23(http://www1.linkclub.or.jp/~s-t23/s-t23/a-t23_infor/index.html

Meetup(https://www.meetup.com/ja-JP/)を利用すれば定期的に開催されているデッサン会の他に、有志で参加者を募り、モデル代と場所代を参加者で負担して開催するデッサン会なども日本だけに限らず世界中で見つけることが出来ます。

まとめ

いかがでしたか?現在ではコロナウイルスの影響から会場に足を運ばなくてもオンラインでデッサンをすることができる機会も増えてきています。少しでも「絵が描けるようになりたい」という気持ちがあれば、気軽に始めてみましょう。いつから始めても遅すぎるということはありません。