交渉はどこのシーンでもありますがアートの世界はどうなのでしょうか。
一般的には、アーティストは天才肌のイメージや、引きこもりがちだから交渉は苦手、と思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし残念ながら、そういう人は現代アートの業界では相手にしてもらえないことになるでしょう。
今回はアーティストの交渉について自分の経験踏まえ、書いていきます。
交渉のポイント

一般の人だけではなく、アーティストはギャラリストやコレクターなど業界のプロと交渉することがよくあります。
そういった人との交渉において話の上手い下手よりも、自分に何ができるかをアピールすることがポイントです。
自分だけかもしれませんが、業界のプロ相手との交渉はとても緊張します。事前に内容を準備していてもうまく話を運べません。
難しい話題を振ったり、面白いことを言おうとするよりは、自分ができることをアピールすることだけを考えて話すのがいいでしょう。
他には、自分ではないアシスタントやマネージャー的な人にメールや電話での交渉をしてもらうというのもありかと思います。
私は面識がない新しく、継続性がなさそうな交渉はアシスタントにしてもらうようにし、作家と自分の人柄を切り分けて相手に見てもらえるようにしています。
特に一般の方との交渉である事なのですが、お金の話はアーティストの崇高なイメージを崩す事に繋がることがあるようで、場合によっては自分以外に交渉を任せるのも手の一つでしょう。
そしてもう一つ大事なポイントはタイミングです。
例えば展示などは、時期が1年ほど前から決まっています。
自分が行いたい時期から最低でも1年程度前から交渉し始めなくてはいけません。早すぎても相手に忘れられてしまいます。
このように相手が話しかけてほしいタイミングを図るのはとても大事なことです。それは展示の話だけではなく、スポンサーなどの連絡などもです。年度末などに交渉しても忙しくて相手にしてもらえないでしょう。
タイミングを図ることを覚えておいてください。
以下の記事では、私の実体験を基に有名な作家やタレントレベルではないアーティストでも企業スポンサーを獲得するポイントをまとめています。企業ごとに判断基準が異なるため正解はありませんが参考にして下さい。
相手によって変える立ち回り

ギャラリーやコレクター、誰に交渉、もしくはオファーをするかで自然と立ち回りを変えることになります。
ギャラリストなら順序立てた論理的な内容、コレクターには作家のオーラと期待を持てる内容、スポンサーにはアートをわかりやすく情熱が伝わる内容を意識して交渉しています。
他に考えられるシチュエーションとしては、材料を買うときや外部発注で仕事を頼むときだと思います。
例えば工場で一部の工程を依頼する時など、普段のアートと無関係の人が関わる際はスポンサーとの交渉と同じで芸術への情熱が伝わるように交渉します。
タイミングと熱意が内容と同じくらい大切です。
まとめ
アーティストの交渉は、時に”芸術”のよさ、”アート”のよさ、”アーティストらしさ”など、相手によって立ち回りやなど、求めている姿に振舞うこと、話すことが大事です。
残念ながら、アーティストの交渉は、対等な立場では行えないというのがほとんどのケースだと思います。大抵不利な立場に置かれます。
しかし、世の中、利害関係のみを求める人ばかりではありません。きっとあなたの作品を気に入り、手助けをしてくださる方は見つかります。
粘り強く交渉していきましょう。
それではまた別の記事でお会いしましょう。