アーティストっていつも何してるの?チェコで働く彫刻家とアシスタントの日常

ライフスタイル

今回はアーティストとアシスタントのワークスタイル、ライフスタイルについてお話ししていきたいと思います。アーティストってどのように日々仕事をしているのか、休みの日は何をしているのか、そもそも休みってあるの?ていうか毎日休みなの…?と、謎の多い職業だと思います。もちろんアーティストそれぞれライフスタイルは違うと思いますが、今回は一例として大成哲の日常をアシスタント目線でご紹介したいと思います。

そして後半はアシスタントの仕事内容と海外生活についてもご紹介していきますので、今後アーティストのアシスタントになりたい方、海外で働いてみたい方、チェコで大成哲のアシスタントとして働いてみたい方は是非チェックしてみてくださいね!

週休3日でリッチなワーク・ライフバランスを目指す

大成哲の仕事は月曜~木曜9:00~19:00で、お昼に1時間の休憩があります。週休3日にすることでプライベートの時間も十分に確保でき、平日昼にしかできないことを金曜日にすることができます。このスタイルになる前は、時間を決めずに仕事をしていたこともあったようですが、アシスタントを雇うようになってからルールとして就業時間を決めたようです。

アーティストが勤務時間を決めて働くことは珍しいかもしれませんが、プライベートはしっかり遊び、仕事時間は集中する。木曜までに終わらなかった仕事は来週に回す…など生活にメリハリをつけられるのがいいですよね。とはいえ、家でもパソコン仕事を少ししたり、常に作品のことを考えているようですが、就業時間以外の時間は補助日と考えているそうです。大成は週末は家族と過ごし、ヨガをしたりドライブに出かけたりするそうです。家族と一緒に過ごす時間が増えたり、自分自身に余裕ができることは体力的にも精神的にも素晴らしいことのように感じます。

就業時間はどんなことをしているのか?

大成の仕事は大きく分けてパソコン作業と制作作業の2つ、その中でも大きな割合を占めるのがパソコンを使った事務作業です。これは前のブログにも全6回に分けてお話ししているので気になる方は是非参考にしてみてください。

作品管理、コンペや助成金の応募などパソコンを使った事務作業は多岐にわたります。今やアーティストにとってパソコン業務は避けて通れないものだと思っています。大成の場合はさらにこのアートサバイブログの執筆、次回の作品の調査、関係各所とのメールのやりとりなども行っています。コロナ禍で事務仕事の割合が増えたようにも思います。

制作に関してはその時々によって異なりますが、展示があるときは勤務時間のほとんどを制作に費やすこともあります。事務仕事を行うスペースと制作作業を行うスペースは隣り合っているので、すぐに行き来できる上に事務と制作の作業スペースが分かれているところはメリハリがついていいなとアシスタント目線で思っています。常にアトリエで制作を行なっているわけではなく、展示があるときはその近くに泊まって制作したり、アーティストインレジデンスで外国で制作したり、自然の中で制作をすることもあります。最近ではチェコのチェスキー・クルムロフという都市で個展を行った際、その近くにアトリエを借りて2ヶ月ほど滞在制作を行なっていました。その他にも新しい作品の実験や素材集めも定期的に行います。

ちなみに、メインのアトリエはもともと元のお店が潰れて荒れ果てていたところを、大成自身が工事して今の状態に作り上げた物です。今の状態になる前の写真がこちら。

これを1年半かけて工事しました。今のアトリエの同じ部屋の写真がこちら。

信じられませんが同じ部屋です。ここは今スタジオのメンバーたちがミーティングをしたりご飯を食べるスペースになっています。壁はRough Luxeというヨーロッパによく見られるデザインです。長い歴史のある建物は壁を削ると前の住人が残した壁紙が出てくるので、大成自身が削ってデザインしました。私はアトリエの中でこの壁のデザインが一番気に入っています。

このアトリエはもともと隣り合っていた2つのテナントをひとつにして作られた物なのでかなり広いです。都心にこの広さのアトリエを持つアーティストはなかなかいないと思います。

アーティストアシスタントのお仕事

次にアシスタントのお仕事についてお話しします。ここTets Ohnari Studioにはこれまで6~70人ほどのアシスタントが働いていました。アシスタントは画家、写真家、彫刻家、作曲家などさまざまな人がてほとんど日本人です。就業期間は3ヶ月~1年間で、大成と同じく月曜日から木曜日の9:00~19:00に働きます。

仕事の内容は大きく分けて事務仕事と制作作業の2つで、事務仕事は大成の作品データの管理や、コンペや助成金の必要書類を書くお手伝い、作品についての調査、このブログを書くことも事務仕事の一つですね。アーティストがどのように生計を立てているのかを垣間見ることができるので、駆け出しアーティストはすごく勉強になると思います。

制作作業は大成の制作の手伝いがほとんどです。これから作る作品のアイディアをみんなで出し合うこともあります。実際、私は過去にアーティストとして作品を制作した経験はありませんが、このスタジオに来てから初めて自分の手で仕事として制作を行いました。アーティストの制作現場を肌で感じながら、自分のひとつひとつの作業に責任と緊張が伴う良い経験だなと思います。

私は将来アーティストを支える職業につきたいと考えていて、その為にはアートの制作現場を間近で感じたり、アーティストのリアルな生活や考えていることをもっと知る必要があると考えてこのスタジオに来ました。私のように自分の制作をしない人でも、アートが好きという思いがある人ならアーティストアシスタントとして十分働けると思います。

アーティストアシスタントに必要なことは、なんでもやってみる!という気持ちと、好奇心と、たくさん仕事を振られてもめげない心です(笑)。スキルとしては基本的なパソコンのソフトウェアと、Photoshop(できたらillustrationも)が使えると便利かなと思います。

プラハで働くアシスタントの休日

アシスタントは大成と同じく週3日休日があるので、私も週3日プラハで自由な時間を得ています。今はコロナでなかなか外出するのも大変ですが、少し足を伸ばすだけでまるで映画の中かのような美しい街並みを見ることができます。チェコは自然が豊かな公園も多いので、散歩するのも楽しいです。コロナ前はヨーロッパの他の国に旅行にいくアシスタントもいました。

アーティスト活動をしているアシスタントは休日を制作に当てることもできるので、日本とは違った環境で刺激を受けて新しい作品を作ることができるのも魅力的ですよね。ヨーロッパの美術館やギャラリーに足を運ぶこともすごく勉強になると思います。チェコはビールやワインが美味しいので色んな種類を試したり、他のアシスタントと一緒に飲んだりするのも楽しい時間です。

私がチェコに来た時期はコロナによる非常事態宣言下で、正直プラハの空港から出ることができるのかも不安でしたが、意外とあっさりクリアしました。確かにお店が空いていなかったり特別な規制があったりすることは悲しいですが、チェコでも現地の人は普通に暮らしていて、それに倣って私も普通に生活しています。規制の中でいかに楽しむかを考えるのも面白いです。今チェコでは夜間(21時以降)の自由な外出が禁止されているので、私は最近夜はすぐに寝て朝仕事前に1人で公園をウォーキングしています。早朝のプラハも幻想的で素敵ですよ。こんな感じでコロナ禍の海外生活を楽しんでいます。

謎に包まれているアーティストとそのアシスタントのライフスタイルをご紹介しました。アーティストの働き方は本当に自由なので、その一例として参考にしていただけたら幸いです。アーティストを目指す人も一度アシスタントとして働いてみると、全くジャンルの違うアーティストと出会えたり、アーティストとして生計を立てるということを間近で見ることができたりするのでとても勉強になると思います。

また、海外で働いてみたい人、生活してみたい人も今は世界中大変な時期ですが、いつまで続くかわからない事態の収束を待つより今できることから行動してみるのもアリなのではないかなとも思います。実際今度また2人新しくアシスタントが来る予定で、私もとても楽しみです。

特にこの状況下で慣れない環境に身を置くことは日本でも海外でも不安なことですが、「アートが好き」という気持ちだけ忘れずに、みなさんSTAY POSITIVE!で頑張りましょう!