アーティストが自分の作品を語る必要性

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クリスタ・クルーティエ著/2021年10月29日

アートに親しみがない人々は、芸術作品に直面すると、混乱することがあるだろう。
こういった人々は、アートに対して権威的なイメージやミステリアスなイメージを抱いており、
自分たちには、アートを理解することは難しく、理解することができないと思い込んでいたりすることがほとんどだ。

多くの場合、そういった人々は、クリエイティブなものが好きでないという理由ではなく、自分がアートに対する理解が浅いということを露見してしまうのではないかという理由でアートを毛嫌いしているのだと思う。

アーティストとして成功するために重要な方法の1つは、オーディエンスを惹きつけるために、アーティストが何をしているのか、そして、それがどのように彼らの生活に価値を付与できるのかを他の人が理解できるようにすることだ。

アーティストのあなたは、作品を展示するだけでなく、アーティストとしての生き方を共有し、その成果を披露する事が必要な時代になってきた。

これから、自分の作品を他の人に紹介するさまざまな方法について解説していく。この方法に従えば、オンラインで投稿する場合でも、ギャラリーツアーを行う場合でも、プレゼンテーションを行う場合でも、あなたの言葉はオーディエンスに見方を伝えることに繋がる。

ぜひ、この方法に従って、理解しづらいアートとオーディエンスを結びつけて欲しい。

1. まず、オーディエンスの気持ちになって考える

自分の作品がどれほど、素晴らしいものであるかについて話し始める前に、オーディエンスのことを理解する必要がある。というのも、芸術に素養がない人は、アートに関してほとんど全く知識がない。彼らにアーティストとしての活動を支援してもらうために、あなたは自分の仕事や言葉、スタイル、そして作家が何をしているのかを彼らに興味を引かせる事が必要がある。

例えばアートフェアに参加するなら、自分の作品や活動に興味を持っている人々に会うことができるだろう。そこにはアートを熱心に学びたがっているオーディエンスもいるので、大きな利点となる。そのタイミングであなたの作品が購入されるチャンスもあるだろう。

アートフェアに参加している人は、芸術に興味を持ってる人は多くいるが、芸術について本当に理解している人は、その中でもほんのわずかだ。展示されている作品とは別に、彼らはあなたのアート活動、作品の背景にあるメッセージ、モチベーション、考えまでを読み取ることはできないかもしれない。

アーティストが犯す大きな間違いの1つは、作品をどのように制作したかなどの経緯を話しすぎてしまっていることだ。

大切なのは、コレクターたちに作品を紹介する場合、彼らが何に興味を持っているかをアーティストは考えるべきだろう。彼らのほとんどは、あなたが使用した技術をそれほど気にしていないからだ。

オーディエンスはアーティストとの考え方も感覚も全て違う。なので、彼らのために作品を解釈しやすいセンテンスを選んで話すべきである。

2. アーティストとしての「あなたの魅力」を引き出す

あなたの作品は、ビジュアル、コンセプトを含めて魅力的なはずだ。しかしだからといって、作品のメッセージを即座に理解することはオーディエンスとっては難しいことをまず理解しておこう。

まずは、ビジョンを用いずに、ステートメントなどに伝えたいメッセージを分かりやすく入れておくことも大切だろう。その際に、鑑賞者や読者の想像力をかき立てることを意識し、作品のテクスチャ、色合い、香り、温度を意識して伝えられるようにしておく。あなたは、オーディエンスに対して、温かいメッセージを伝えたり、

シャープなメッセージを作品で表現していたりするだろうか。それとも、あなたが制作している作品は、美しさに関するものか、あるいは、アイデアに関するものか。いずれにせよ、そういった作品で重視していることが伝わるように、言葉を選び、オーディエンスに伝えていく必要がある。そうすれば、オーディエンスは、作品を単に凝視するときよりも、多くの気づきを得ることができるだろう。

3. アーティストとしてのエゴを捨てる

これは悲しいことだが、アーティストの持っているエゴが、これまでに多くの作品販売を失敗させてしまったのは事実だ。

こういったアーティストはもしかしたら、アートについての知識を提供していると思っているかもしれないが、実際には自慢よりのオーディエンスの関心を失くさせてしまっていることがよくある。

アーティストは自慢話の代わりに、特定の作品の背後にあるインスピレーションや作品の魅力的な説明を提供するべきなのだ。例えば、なぜこの色やカタチを選んだのか。作品を制作するにあたってどのような工程を使用したのか。あるいは、あなたのアートワークから人々に何を見て学んでもらいたいのか、などを伝え、少しでも興味と関心を引き寄せる事がアーティストとしての仕事の一つでもある。

4. アーティストとしての自分の言葉を生き生きさせる

あなたの作品を説明する際には、受動態を使用しないようにし、作品を発表するときには、アートにはオーディエンスに働きかけるチカラがあることを彼らに理解してもらうよう努めて欲しい。

アートは人に刺激を与え、記憶し、美化し、教育し、そして挑発する。このような内容を自分の作品に織り交ぜる事ができればより力強、生き生きとさせることができる。そして、自分の作品を売り込むときに魅力的な言葉を使うことによって、あなたは自分の意図をよりオーディエンスに伝えることができるのだ。

5. シンプルに保つ

最後に、小難しいアートの話をしないように気をつけて欲しい。というのもあなたのオーディエンスは、美学の歴史に関するポストモダンの談話など理解できているか分からないからだ。なのであなたは、オーディエンスが理解できる単語やフレーズを使用し、参照を含める場合は、歴史などの背景を説明する。

そして言葉は短くシンプルにして欲しい。なぜなら、言葉が多すぎると、説明の価値が失われ、最終的にはつながりたい人の注意を失ってしまう可能性があるからだ。

アート作品を制作するにもスキルは必要だが、その作品について話すこともまた必要なスキルだ。どちらも、アーティストとしてのあなたの売り上げと成功にとって欠かせないものだろう。

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